「一条工務店の家に住んでいるけど、HEMS(ヘムス)を後から付けられないかな?」 「電気代も上がっているし、HEMSでエネルギー管理をして少しでも節約したい…」 「後付けするとなると、費用はどれくらいかかるんだろう?補助金は使えるの?」
一条工務店の高性能な住宅にお住まいの方なら、日々のエネルギー消費に関心が高い方も多いのではないでしょうか。太陽光発電や蓄電池を設置しているならなおさら、HEMS(Home Energy Management System)を導入してエネルギーを最適化したいと考えますよね。
結論から言うと、一条工務店の住宅にHEMSを後付けすることは可能です。専門の業者に依頼すれば、現在の住まいの快適性をさらに高め、エネルギーの「見える化」による節電や、よりスマートな暮らしを実現できます。
例えば、HEMSを導入すれば、どの部屋でどれだけ電力が使われているかが一目瞭然になります。
私の友人も、HEMSを後付けしたことで家族の節電意識が格段に上がり、ゲーム感覚で電気使用量をチェックするようになった結果、翌月の電気代が15%も下がったと喜んでいました。これは、エネルギー管理がもたらす大きなメリットの一例です。
もちろん、「後付け工事って大掛かりで費用も高そう…」「そもそも、うちの家に対応しているの?」といった不安や疑問もあるかと思います。確かに、初期費用はかかりますし、ご自宅の状況に合わせた機器選びも必要です。
しかし、HEMSの後付けには国や自治体からの補助金制度が利用できる場合があり、初期費用を抑えることが可能です。長期的に見れば、光熱費の削減によって初期投資を回収できる可能性も十分にあります。
この記事では、一条工務店でHEMSを後付けするための具体的な方法から、気になる費用、活用できる補助金、そして導入後の便利な使い方まで、あなたの疑問や不安を解消できるよう徹底的に解説していきます。
この記事のポイントは以下の4つです。
- 一条工務店の家にHEMSを後付けする方法と流れ
- 後付けにかかるリアルな費用と活用できる補助金制度
- 後付けHEMSで実現する便利な機能と標準仕様との違い
- 導入する際の注意点や後付けが難しい場合の代替案
それでは、一条工務店のHEMS後付けについて、一緒に詳しく見ていきましょう。
一条工務店でHEMSを後付けする方法と費用

まずは、皆さんが一番気になっている「どうやって後付けするの?」「いくらかかるの?」という部分から解説していきます。具体的な方法や費用の相場を知ることで、導入計画がぐっと現実的になりますよ。
そもそも一条工務店のHEMSは後付けできる?
はい、一条工務店の住宅にHEMSを後付けすることは可能です。
ただし、一条工務店が公式に「後付けサービス」として提供しているわけではありません。新築時に標準で搭載されているHEMSとは異なり、後付けする場合は、パナソニックやシャープといったHEMS機器メーカーの製品を取り扱っている、専門の電気工事業者やリフォーム会社に依頼するのが一般的です。
「一条工務店の家だから特殊なのでは?」と心配されるかもしれませんが、基本的な住宅の構造は他のハウスメーカーと大きく変わるわけではないため、多くの専門業者が対応可能です。重要なのは、HEMSの設置実績が豊富で、信頼できる業者を選ぶことです。
標準HEMSと後付けHEMSの違いとは?
新築時に導入する一条工務店の「標準HEMS」と、市販の製品を「後付け」する場合では、いくつか違いがあります。どちらが良いというわけではなく、それぞれの特徴を理解しておくことが大切です。
比較項目 | 標準HEMS(一条工務店) | 後付けHEMS(市販品) |
---|---|---|
連携機器 | 太陽光発電、蓄電池、エコキュート、床暖房、ロスガードなど一条のオリジナル設備と完全に連携 | メーカーが対応を保証している汎用的な家電や設備が中心。一条のオリジナル設備との連携は限定的な場合がある |
導入コスト | 住宅ローンに組み込めるため、初期の持ち出し費用は少ない | 機器代+工事費として一括での支払いが必要(リフォームローン利用も可) |
機能 | 住宅に最適化された運転モード(経済・安心)や詳細な電力モニタリング機能 | 多機能なモデルが多く、AIによる自動制御など最新機能を選べる |
保証・サポート | 一条工務店のアフターサポートに含まれる | 機器メーカーと施工業者の保証・サポートが適用される |
選択肢 | 基本的に一条工務店指定の機器 | パナソニック、シャープ、ニチコンなど複数のメーカーから選択可能 |
一番の大きな違いは、一条工務店オリジナルの設備(ロスガード、さらぽか空調など)との連携です。
標準HEMSはこれらの設備と最適に連携するように設計されていますが、後付けHEMSでは一部の連携が難しい場合があります。後付けを検討する際は、どの設備をHEMSで管理したいのかを明確にし、それが実現可能か業者に確認することが重要です。
一条工務店の標準HEMSでできること【公式取説より】
後付けHEMSと比較するために、まずは一条工務店の標準HEMSで何ができるのかを公式の取扱説明書を参考に詳しく見てみましょう。標準HEMSは専用タブレットで操作し、主に「エネルギーの見える化」と「対応機器の操作」ができます。
エネルギーの状況をリアルタイムで「見える化」
専用タブレットのホーム画面では、現在のエネルギー状況が一目でわかります。
- 電力モニタ: 太陽光の発電量、家庭での消費電力、蓄電池の充放電状況、電力会社との売買電力量などが、イラストで分かりやすく表示されます。
- 分岐回路ごとの電力: リビング、キッチン、エアコンなど、どの回路でどれだけ電力が使われているかを詳細に確認できます。消費電力のランキング表示もできるため、節電意識の向上に繋がります。
- 履歴確認: 過去の発電量や消費電力を日・月・年単位のグラフで振り返ることができます。
3つの運転モードでエネルギーを自動制御
ライフスタイルや目的に合わせて、蓄電池などの運転モードを3つから選択できます。
- 経済モード: 太陽光で発電した電気の売電を優先しつつ、深夜の割安な電力を活用して蓄電池の充電やエコキュートの沸き上げを行う、最も経済的なモードです。
- 安心モード: 停電に備えて、常に蓄電池の残量を一定以上に保つように運転します。
- タイマーモード: ユーザーが設定した時間帯に合わせて、蓄電池の充電や放電をコントロールできます。
対応機器をタブレットで一括操作
HEMSと連携している住宅設備をタブレットからまとめて操作できます。
- エアコン: 各部屋のエアコンのON/OFF、運転モード、温度設定などが可能です。
- 床暖房: ON/OFFや温度設定を操作できます。
- エコキュート: お湯の沸き上げ設定などを変更できます。
HEMSの後付け工事の流れと期間
専門業者にHEMSの後付けを依頼した場合、一般的に以下のような流れで進みます。
- 問い合わせ・相談: Webサイトや電話で、HEMSを設置したい旨を業者に伝えます。この段階で、大まかな要望や現在の住まいの状況を伝えるとスムーズです。
- 現地調査: 業者が実際に家を訪問し、分電盤の位置や配線の状況、設置場所などを確認します。この時に、どの機器を連携させたいかなどの詳細なヒアリングも行われます。
- 見積もり・プラン提案: 現地調査の結果をもとに、最適なHEMS機器と工事内容の提案、そして詳細な見積もりが提示されます。内容をよく確認し、不明な点は納得いくまで質問しましょう。
- 契約: 見積もりとプランに納得できれば、正式に契約を結びます。
- 設置工事: 契約内容に基づき、HEMSの設置工事が行われます。工事自体は、通常半日~1日程度で完了することがほとんどです。
- 設定・引き渡し: 機器の設置後、初期設定やスマートフォンとの連携設定などを行い、操作方法の説明を受けて引き渡しとなります。
思ったより簡単だと感じませんか?大掛かりなリフォームとは違い、比較的短期間で導入できるのもHEMS後付けの魅力です。
【価格】一条工務店のHEMSを後付けする場合の費用は?
後付けの費用は、大きく「本体機器の価格」と「設置工事の費用」の2つに分けられます。
本体機器の価格
HEMSの本体機器(エネルギー計測ユニットやモニターなど)の価格は、メーカーや機能によって幅がありますが、おおよそ10万円~30万円が相場です。多機能で高性能なモデルほど高価になる傾向があります。
設置工事の費用
設置工事の費用は、分電盤の状況や配線工事の複雑さによって変動しますが、一般的に5万円~10万円程度が目安となります。
つまり、総額としては15万円~40万円程度を見ておくとよいでしょう。正確な費用は必ず業者からの見積もりで確認してください。
HEMSの後付けで利用できる補助金制度
HEMSの導入には、国や地方自治体が実施している補助金制度を利用できる場合があります。これは初期費用を抑えるためにぜひ活用したい制度です。
代表的なものに、経済産業省が主導する「DER補助金(分散型エネルギーリソースの更なる活用に向けた実証事業)」などがあります。これはHEMSだけでなく、エコキュートやV2H(Vehicle to Home)などの設備と合わせて導入する場合に適用されることが多い補助金です。
補助金制度は年度ごとに内容が変わったり、公募期間が限定されていたり、自治体によって独自の制度があったりします。そのため、常に最新の情報をチェックすることが重要です。
まずは、お住まいの自治体のホームページで「HEMS 補助金」や「省エネ 補助金」といったキーワードで検索してみるのがおすすめです。また、施工を依頼する業者が補助金申請のサポートをしてくれることも多いので、相談してみましょう。
より詳しい国の制度については、以下の一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)のサイトも参考にしてください。

HEMSを後付けできる一条工務店の住宅モデルは?(GX志向型住宅など)
基本的に、i-smartやi-cube、グラン・セゾンなど、一条工務店のほとんどの住宅モデルでHEMSの後付けは可能です。
特に、近年注目されている「GX志向型住宅」のような、太陽光発電や蓄電池、V2Hといった設備が充実している住宅では、HEMSを後付けするメリットがさらに大きくなります。
これらのエネルギー設備をHEMSで統合的に管理・制御することで、電力の自家消費率を最大化し、電気代の削減や災害時のレジリエンス強化に大きく貢献します。
一条工務店のGX志向型住宅については、以下の記事も参考にしていただければと思います。

一条工務店HEMSを後付けして出来ること・注意点

出典:一条工務店公式ホームページ
費用や方法がわかったところで、次に「HEMSを後付けしたら、具体的にどんな便利な生活が待っているの?」という点を見ていきましょう。また、導入前に知っておきたい注意点も合わせて解説します。
HEMSの基本的な使い方
後付けする市販のHEMSを導入すると、主に以下のようなことができるようになります。基本的な機能は一条工務店の標準HEMSと共通する部分も多いですが、メーカーや機種によって特色があります。
HEMSクラウドで外出先から電力チェック
HEMSの最も基本的な機能が、エネルギーの「見える化」です。専用のモニターや、お持ちのスマートフォン・タブレットのアプリを通じて、家全体の電力使用量はもとより、部屋ごと、コンセントごとの電力使用量をリアルタイムで確認できます。
「今、一番電気を使っているのはどの部屋だろう?」 「先月と比べて、今月は電気を使いすぎかな?」
といったことがグラフなどで直感的にわかるため、自然と家族の節電意識が高まります。多くのHEMSはクラウドサービスに対応しており、外出先からでもスマホで自宅の電力状況をチェックできるので非常に便利です。
エアコンなど対応家電の遠隔操作
HEMSは、対応している家電(ECHONET Liteという通信規格に対応した機器)と連携させることで、遠隔操作が可能になります。特に利用シーンが多いのがエアコンです。
- 夏の暑い日、帰宅する30分前に外出先からリビングのエアコンをONにして、家に着く頃には涼しい快適な空間に。
- 「あれ、エアコン消し忘れたかも…」と不安になった時に、スマホで確認してOFFにする。
このようなスマートな使い方が可能になり、快適性の向上と消し忘れによる無駄の防止を両立できます。
一条工務店の新仕様HEMSとの機能差
前述の「標準HEMSとの違い」とも関連しますが、特に最近の一条工務店の新仕様HEMSは、太陽光発電の発電状況に応じて蓄電池の充放電を最適化したり、気象警報と連携して災害に備えたりと、より高度な自動制御機能が搭載されています。
後付けHEMSでも、AIが気象情報や生活パターンを学習して充放電を自動で最適化するような高機能モデルを選べば、同様かそれ以上の機能を実現できる場合があります。
しかし一条工務店のオリジナル設備との連携を含めた「住宅全体での最適化」という点では、標準仕様に軍配が上がることがあります。後付けでどこまでの機能を求めるのか、事前に明確にしておくことが大切です。
HEMSでログインできない場合の対処法
HEMSを使い始めてから「アプリにログインできない!」といったトラブルに遭遇することもあるかもしれません。その多くは、以下の原因が考えられます。
- ID・パスワードの間違い: 最も多い原因です。もう一度正しく入力してみましょう。忘れてしまった場合は、アプリの指示に従って再設定手続きを行ってください。
- インターネット接続の問題: HEMS機器や自宅のWi-Fiルーターがインターネットに正しく接続されていないと、クラウドサービスにログインできません。ルーターの再起動などを試してみましょう。
- サーバーメンテナンス: HEMSメーカー側のサーバーがメンテナンス中の場合もあります。メーカーの公式サイトなどで情報を確認してみてください。
これらを試しても解決しない場合は、施工してくれた業者やHEMSのメーカーサポートに問い合わせましょう。
後付けが難しい場合の代替案
予算の都合や、住宅の構造(分電盤周りのスペースがないなど)によっては、本格的なHEMSの後付けが難しいケースもあるかもしれません。
その場合は、以下のような代替案を検討するのも一つの手です。
- スマートメーター連携サービス: 電力会社が設置しているスマートメーターの情報を活用し、30分ごとの電力使用量を見える化するサービスです。電力会社の会員ページや、専用アプリなどで利用できます。
- スマートプラグ: 個別の家電の電力使用量を知りたい場合や、遠隔でON/OFFしたい場合に有効です。コンセントと家電の間に差し込むだけで、手軽に導入できます。価格も1個数千円からとリーズナブルです。
これらの方法は、HEMSほど多機能ではありませんが、「まずは電気の見える化から始めてみたい」という方にはおすすめです。
一条工務店のHEMSについては以下の公式サイトの情報も参考にしていただければと思います。

まとめ:一条工務店HEMSの後付けで快適な暮らしを実現
最後に、この記事の重要なポイントをもう一度振り返ってみましょう。
- 一条工務店の家にHEMSを後付けすることは可能で、専門業者への依頼が一般的。
- 費用は総額で15万円~40万円が目安だが、国や自治体の補助金を活用できる場合がある。
- 後付けHEMSで「電力の見える化」や「家電の遠隔操作」が可能になり、節電と快適性を両立できる。
- 標準HEMSとは連携機器や保証面で違いがあるため、目的を明確にして機器を選ぶことが重要。
一条工務店の住宅にHEMSを後付けすることは、決して難しいことではありません。初期費用はかかりますが、日々のエネルギー使用量を把握し、賢くコントロールすることで、長期的に見れば光熱費の削減につながります。何より、自分の家のエネルギーを自分で管理しているという感覚は、暮らしをより豊かにしてくれるはずです。
まずは信頼できる専門業者に相談し、あなたの家に最適なHEMS後付けプランの提案を受けてみてはいかがでしょうか。この記事が、あなたのスマートで快適な暮らしの実現に向けた第一歩となれば幸いです。
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