ネットを見ているとたまに『一条工務店で家を建てるのをやめてよかった』という記事を目にすることがあります。
ただこれらの記事を見ると建築関係者が書いているものもあるとは思いますが、実際に一条工務店の家に住んでいる人が書いたものはあまり見つけられません。
そこで本記事では実際に一条工務店に住む我が家はどう思っているのか?をお伝えしたいと思います。
家を建てることは人生の中で最も高い買い物の1つだと思いますので、後悔しない家選びの参考になりましたら幸いです。
一条工務店をやめてよかった理由とは?
我が家がどう思っているかを言う前に一般的に言われている一条工務店をやめてよかった理由について見ておきたいと思います。
ざっと箇条書きにすると以下のような事が言われているようです。
我が家にとってはいくつか❓マークが付くものもありますが一つずつ詳細を見ていきましょう。
- 坪単価が高く全体の価格が高かった
- 値引きを一切行っていない
- 設計ルールが厳しく間取りなどの自由度が低かった
- 外観デザインが一条丸出しで好きではなかった
- 仮契約が強引だった
- 営業担当と合わなかった
- 設備の大半が自社製品
- 床暖房が必要なかった
- 無線LANの電波が届きにくい
- アフターサービスが他社に劣るから
坪単価が高く全体の価格が高かった
注文住宅の坪単価は都道府県によっても違いますが一般的に以下のような価格帯のカテゴリーがあります。
注文住宅の坪単価
- 坪単価40~60万:ローコストハウスメーカー
- 坪単価60~80万:中堅ハウスメーカー
- 坪単価80~100万:大手ハウスメーカー
そして一番気になるのは一条工務店がどこに位置するのか?ということだと思います。
一条工務店には商品ラインナップがあり、それぞれ以下のような坪単価になります。
商品ラインナップ | 坪単価 |
ハグミー(規格住宅) | 約50万円~ |
アイスマイル(規格住宅) | 約59万円~ |
百年 | 約68万円~ |
ブリアール | 約65万円~ |
セゾンA | 約63万円~ |
セゾン | 約65万円~ |
アイキューブ | 約67万円~ |
アイスマート | 約70万円~ |
グランセゾン | 約73万円~ |
グランスマート | 約75万円~ |
これらを見ると一条工務店の坪単価は約50万円〜75万円の範囲に入っています。
これと先程の坪単価の価格帯別カテゴリーを比較してみるとどうでしょうか?シリーズによってはローコスト住宅の価格帯に入るものもあります。
それ以外で見ても大体、中堅ハウスメーカーの価格帯だと分かると思います。確かにこれでも高いと感じる方もいるとは思いますが全国的に見るとズバ抜けて高いというわけではなさそうです。
因みに我が家の場合は、セゾンAで坪単価64.8万円だったので上記の坪単価の信憑性も確認できるかと思います。
また全国の戸建ての平均坪数は30〜40坪と言われていますので、一条工務店の坪単価だと30坪で1500〜2250万円、40坪で2000〜3000万円になります。
値引きを一切行っていない
一条工務店では値引き交渉に応じない方針を取っているのは本当です。
ただこれには理由があり、人それぞれ値引き額が違ったりすると公平性を保てなくなります。
なので公平性を保つために一律値引きはなしという方針を取っているようです。それは例え決算月であっても値引きしないということです。
ただしこの公平性を保つために紹介制度というものがあります。紹介制度には以下の3種類の紹介のされ方があります。
知人紹介:一条工務店で家を建てた人からの紹介
親族紹介:一条工務店で家を建てた2親等以内の親族からの紹介
提携制度:提携企業の社員・関係者が利用できる
知人紹介の場合は、展示場来店時に1000円分のQUOカード、契約時に20万円相当のオプションがゲットできます。
親族紹介は建築費×1.5%の割引、提携制度は建築費×2.0%の割引です。
これは活用しない手はないですね。ちなみに一条工務店の社員であれば社員割引として建築費×8.0%の割引だそうです。さすが、社員特典というやすですね!
設計ルールが厳しく間取りなどの自由度が低かった
一条工務店は標準仕様が多く、設計の自由度に制約があります。
例えば、天井高は選択肢が決まっていたり、1階と2階の広さが同じにする総2階にしないといけない、など制約があります。
外壁の色や内装の選択肢が限られており、個性的な家を求める顧客にとっては不満が残る点です。このような制約は、特にこだわりの強い顧客にとって大きなマイナスとなります 。
ただ我が家の場合、セゾンAのシリーズにしたのですが、勾配天井にしたので天井も傾斜になり徐々に高くなっています。いわゆる吹き抜けに近い状態です。なので上記で紹介した制約からは外れています。
外壁や内装も選択肢から選びましたが、満足の仕上がりになっています。
外観デザインが一条丸出しで好きではなかった
一条工務店の外観デザインは統一感があり、品質も高いですが、一部の顧客には「同じようなデザインばかり」と感じられることがあります。
特にシリーズ展開しているi-smartなどは形も四角形で、外壁も数種類の色の中から選ぶので自由度がないと思われるのかもしれませんね。
我が家の場合、洋風より和風な家が好みで、セゾンAのシリーズを選んだのですが、それもあってか自分で言うのもなんですが結構、個性的なデザインに仕上がったのではと思っています。
仮契約が強引だった
一部の顧客からは、一条工務店の営業担当者が仮契約を急かすような強引な対応をするという声が聞かれます。
例えば、見学会の後にすぐ仮契約を迫られたというケースがあります。顧客にとっては十分な検討時間を持ちたいにもかかわらず、急かされることで不安や不信感を抱くことがあります。
ただ、こればかりは人間相手なので当たり外れはあると思いますし、たまたま気分が乗りきらなかったということも考えられますよね。我が家は、営業マンにも恵まれたと100%言い切れますが(笑)
営業担当と合わなかった
営業担当者との相性や対応が悪いと感じた顧客は、一条工務店での家づくりを断念することがあります。例えば、質問に対する回答が曖昧だったり、コミュニケーションが円滑でなかったりするケースがあります。
信頼関係を築けないと感じた場合、顧客は安心して契約に進むことができず、他社を選ぶことになりますよね。こればかりは営業担当者の力量によると言わざるを得ません。
設備の大半が自社製品
一条工務店の設備は多くが自社製品なんです。例えばキッチン、収納、バスルーム、洗面台、などがこれに当たります。
もし他メーカーの設備を選ぶ際には追加費用がかかる場合があります。
例えば、我が家の場合、洗面台をLIXILに変えたのですが逆に安くなりました。
というのもシャワーホースの引き出し口が下からではなく、上からのが良かったのですが当時は、そういうタイプの洗面台が一条の標準仕様になかったので、LIXILにしたというわけです。
他は一条の標準設備で問題なかったので、それらを採用しました。
床暖房が必要なかった
一条工務店の標準仕様には床暖房が含まれているため、これを不要と感じる顧客には無駄なコストとなります。
例えば、温暖な地域に住む顧客や、他の暖房方法を希望する顧客にとっては、床暖房はオーバースペックと感じられます。
ただ床暖房が不要なら標準仕様から外せるというのは覚えておいた方が良いです。
無線LANの電波が届きにくい
一条工務店の床暖房を採用すると、1階、2階共に全館床暖房になり、そうなると床下一面にアルミ製の温水式暖房パネルが敷き詰められてます。
このような構造だとWi-Fiの電波をアルミが通しづらくしてしまい、我が家の場合だと2階にある子供部屋のWi-Fiが繋がりにくくなります。
例えば最近のゲームのほとんどがオンラインゲームだと思うので、ゲームを楽しんでいる最中に通信エラーにみまわれることもあります。うちの子も良く文句を言っていました。
ただこの辺りは無線LAN中継器を設置することで家の隅々までWi-Fi電波が届くようになるので改善することはできます。
アフターサービスが他社に劣るから
一部の顧客からは、一条工務店のアフターサービスが他社に比べて劣るという意見があります。
我が家の経験でいうと、知らない固定電話の番号からスマホに着信があり取らないでいたのですが、実は太陽光発電のパワーコンディショナーが故障していて発電量が少なくなっていたというのがありました。
いつもの営業マンの方からの電話なら取っていたと思うのですが、知らない電話番号だったので。。
強いて言うならこれぐらいが残念だったアフターサービスの経験で、それ以外は満足しているのが実態です。
家は長年にわたりサポートを要するので、我々にとっては、アフターサービスの質は非常に重要ですよ。
それでも我が家が一条工務店を選んだ理由
ここからは今までご紹介したマイナスの声がありつつも、我が家が一条工務店を選んだ理由をご紹介したいと思います。
とにかく快適!夏涼しく、冬は暖かい
これはホントに不思議なんですが家の中が夏涼しくて、冬は暖かいんです。
さすが、『家は、性能』というスローガンを掲げているだけはあります。
家の中の温度を快適にするために夏は冷房、冬は床暖房を使いますが、一度これらを使って快適にした温度を高気密、高断熱といった一条ならではの性能で持続させるからなのだと思っています。
デザインもお気に入り
我が家は和モダンな雰囲気にしたかったのと、勾配のある大きな屋根にしたかったのですがそのどちらも満たすデザインにする事ができました。
上記を満たすシリーズとしてセゾンAを選び、10年近く建った今も非常に気に入っています。
事業規模の太陽光発電がしっかり稼いでくれる
一条と言えば太陽光発電と言われるほど有名ですよね。屋根一体型の太陽光パネルなので屋根面積を大きくするほどパネルもたくさん載せられます。
そうなると我が家もそうなんですが10KW以上の事業規模の太陽光発電になります。
これぐらいの規模になると我が家の場合、売電価格は毎月3~5万円になり、年間になると40万円前後になります。
最初は太陽光の投資分の回収に当てられる売電収入も7,8年もすれば完済し、あとは純粋な収入になります。
設備の故障もあるかもしれませんが10年保証が付いているので、10年以内の故障なら無償交換してもらえます。
ここまでメリットがあれば皆に平等なエネルギーである太陽光とせっかくの屋根スペースを使わない手はありませんよね。
仮に太陽光パネルがダメになってもパネルはそのまま屋根として使い続けられるので新たに出費があるわけでもありません。
営業マンがいつでも親切
我が家は当たりだったのかもしれませんが担当してくれた営業マンは凄く親切でした。
設計士の方とも同期だったようで毎回打合せは和気あいあいと進んで行きました。
10年近くたった今もわからないことをメールで聞くと親切に教えてくれます。
最も売れている注文住宅会社でギネス世界記録
意外と知られていないのが一条工務店が以下の3つでギネス世界記録を持っているということです。
- 最新年間で最も売れている注文住宅会社
- 最新年間で最も多くの太陽光搭載住宅を建てた会社
- 最大の工業化住宅工場
ギネス世界記録の認定審査も厳格だと思うので、これ以上の第三者評価はないのではないでしょうか?詳しくは以下の一条の公式ホームページをチェックしてみると良いと思います。
一条工務店が向いている人
ここまで読んで頂いた方は、一条工務店で家を建てることに向いている人がどんな方だかイメージできるかと思いますが念押しの意味で以下にまとめておきます。
- 家に快適さを求める人
- 床暖房の暖かさで冬をしのぎたい人
- 太陽光発電で不労所得を得たい人
- エコライフに興味のある人
仕事で疲れて帰ってきて、家ではリラックスして癒されたい、生活空間の質を重視し、日々の暮らしを豊かにしたい人は特に一条工務店で家を建てるとメリットを感じられると思います。
家にはお金をかけたくないや、むしろ賃貸でも良いという人もいるとは思いますが、家という生活空間にはほぼ毎日いると思うので、そこが快適だと長い目で見ると人生も豊かになると思います。
個人的には上記を毎日実感しているので一条工務店で家を建てて良かったと思っています。
一条工務店が向いていない人
逆に一条工務店で家を建てるのが向かない人はどんな人でしょうか?
- 快適さより価格の安さを重視する人
- 持ち家より賃貸でも良いという人
- 性能よりデザイン性を重視する人
一条工務店の坪単価は他メーカーと比べて群を抜いて高いというわけではないですが、それでもとにかく安く家を建てたいという人はローコストハウスメーカーを選ぶという選択肢があります。
一般的にローコストハウスメーカーの上位に挙がってくるメーカーと言えば、アイダ設計、アエラホーム、タマホームなどがありますね。
一条工務店と一緒に検討されるハウスメーカー
ここまで一般的に言われる一条工務店をやめてよかった理由や、それでも我が家が一条工務店を選んだ理由をお伝えしてきました。
家に求めるものは人それぞれです。また家づくりは一生に一度の大きなイベントですから、後悔しないために決めたいですよね。
私は一条工務店の回し者でもなんでもないので、皆さんには一条工務店に固執せず、他のハウスメーカーも検討した上で納得して決めてもらいたいとせつに願っています。
例えば、積水ハウスは高品質な住宅で信頼されていますし、住友林業は美しい木造建築に定評があります。
ヘーベルハウスは耐久性と防災性能が優れ、セキスイハイムは環境に配慮したエネルギー効率の高い住宅を提供しています。
また、ミサワホームは独自のデザインと技術力を持ち、パナソニックホームズは最新のスマートホーム技術を取り入れています。
タマホームはコストパフォーマンスが高く、手頃な価格で良質な住宅を提供しています。
などなど日本のハウスメーカーの良いところを挙げたらキリがありません。
そこでまずは各メーカーの良さを知るためにカタログなどを取り寄せると良いと思います。間違ってもいきなり展示場に行ってはいけませんよ。営業マンの上手いトークに、その気になってしまい、気が付いたらろくに検討しせずに契約してしまったという話はよく聞きます。
なので私のおすすめはまずはカタログ等で各ハウスメーカーの特徴や良さを知った上で展示場に確認していくという進め方をオススメします。
家づくりは一生に一度の大切なプロジェクト。だからこそ、多くの選択肢を比較し、自分に最適なパートナーを見つけることが重要です。
心地よい暮らしを実現するために、一条工務店だけでなく、様々なハウスメーカーの特長を見極め、最良の決断をしてください。
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